再生可能エネルギーが安いとは、信じられないと思うかもしれません。確かに電気料金で比較すると、再生可能エネルギーで発電されたグリーン電力は安いとはいえません。でも、どうして再生可能エネルギーは安いといえるのでしょうか?
それに対して、原子力発電は安いといわれます。でも実際に、安いといえますか。たとえば原発事故後、たくさんのお金が国から出されています。東電は、国営化されているのとかわりません。
電気料金には通常、実際の発電コスト以外にいろいろな種類の税金が課金されています。でも電気の卸売市場では、電気は発電コストをベースにして取引します。
ここで取引価格を決めるベースになるのは、発電所を建設した時の投資額、発電所のメンテナンス費、それに燃料費です。これらをまとめた費用を、専門的には限界費用といいます。それに利益をのせて、電気を取引します。
原子力発電は、この限界費用が比較的安いのです。だから日本の電事連と日本政府は、原発は安いといいます。
次に、再生可能エネルギーの限界費用を見てみましょう。
メンテナンス費と燃料費は、ほとんどかかりません。限界費用は、発電施設を建設するのに必要な投資額だけとなります。それも発電施設が小さいので、原発と比べると格段に安いはずです。
結論は、明らかです。日本の電事連や日本政府が原発は安いというのと同じ条件で、再生可能エネルギーを比較すると、再生可能エネルギーのほうが格段に安くなります。
実際、ドイツやヨーロッパの電気取引市場では、再生可能エネルギーのほうが格段に安く取引され、電気の取引価格を引き下げる圧力となっています。その結果、大手電力会社は従来の発電方法では利益を上げることがまったくできなくなっています。
それではなぜ、電気料金にすると再生可能エネルギーは安くないのでしょうか。そのからくりは、次回詳しく解説したいと思います。
(2018年11月14日)
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